親の強さ

メルおじさんは今日ホスピスに移送された。ライフサポートを断たれ少し熱があったものの、まだ強く生き続けていてくれている。 おとといはモルヒネのせいで存在を感じなくなってしまいパニクったけれど、昨日はモルヒネの切れ間に会え、一瞬だけだったけれど今まで通り気配を感じて安心した。 今日はやっぱりモルヒネが効いていて深い眠りに就いていた。このモルヒネが精神と体の合体を妨げている気がするけれど、必要なのかなぁ・・・ 最近メルおじさんの家族と会い、親の存在のすごささらに感じる。 メルおじさんが倒れてから約2週間。家族は毎日の付き添いだけでなく、再度重なる医者との面談、そして決断を強いられ、さらには慣れないオアフでの共同生活にさすがに疲れを感じているのが見える。 お姉さんと妹さんの姿は見たり見なかったりだけれど、いつ行っても常に病室にいるのはお父さん。80歳を超えているのに、気だけでなく体も強い。 話をしているとそのポジティブさ、的確な判断力、そして気丈さにどんどん魅了される。 どんな細かいことにもネガティブな言葉遣いはしないし、何人もの医者との面談を繰り返し、最短距離で一番正しい判断を下し、常に背筋を伸ばし笑顔で迎え入れてくれ、90近い老人とは思えないふるまい。 メルおじさんから聞いていた通りの素晴らしい人。 お父さんの後ろで意識不明のメルを見ていると、自分より先に命の危機にある子を見ているお父さんの気持ちを考えると、切なくてたまらない・・・ けれど凛として強くいるお父さん。 今、親になった私。 こんなに強くなれるかわからないけれど、どんなことをしてでも守っていきたい。